低音障害型感音性難聴

最近とても多い“低音障害型感音性難聴”

耳が詰まった重い感じがして、耳鳴りがする内耳の病気です。聴力検査をすると片側または両側の低音部の聴こえが落ちていることからこのような名前がついています。

●原因

原因のほとんどがストレスや疲れ、睡眠不足といわれており、若い世代の女性にやや多い病気です。

●治療法

治す方法はまず良く寝ること!! そしてストレスを避け、疲れを癒すことにつきます。
これだけでも軽い人は治ってしまうことが多いのです。それから肩こりや首こりのひどい人が多いため、首や肩を冷やさないで暖めること、適度にストレッチや運動をして体をほぐすことがおすすめです。薬はビタミンB12や血行改善薬、利尿薬(内耳の異常な圧力を下げる薬)などが中心になります。ときにめまいのあるときはめまい止めも出します(この場合は後述のメニエール病になることもあります)。
低音障害型感音性難聴は適切な養生と薬物治療で治りやすい病気ですから、あまり心配はいりません。しかし症状が強い場合や長引くときはほかの内耳疾患(*)の鑑別のためさらに詳しい検査が必要となることもあります。

(*)聴力検査で低音以外の音域も落ちている場合は突発性難聴の可能性が、また強いめまいを繰り返し、聴力が変動する場合はメニエール病の場合が多いといえます。難聴や耳鳴り、めまいを繰り返しながら次第に進行する場合は聴神経腫瘍(ほどんどが良性)の可能性もあります。

突発性難聴

ある日突然の突発性難聴

ある日突然、片側(まれに両側)の耳の聞こえが悪くなる内耳の病気です。多くは耳鳴りもあり、半数ぐらいの人でめまいも生じます。ただし、めまいは最初だけのことがほとんどです。

●原因

原因はまだ全部は解っていませんが有力な説にウイルス感染説(風邪の後に多いことから)、内耳循環障害説(内耳の小血管の流れが悪くなったりつまったりする)があります。いずれにせよ、疲れや体調不良、ストレスがあるときに生じやすい病気です。
難聴の程度が軽く、発症後2週間以内に治療を始めれば治りやすいといわれています(その逆は治りにくい)。

●治療法

治療法はまずは安静第一!! 薬としてはステロイドホルモン、ビタミンB12、循環改善薬などの経口薬や点滴が中心です。病院によっては星状神経節ブロック(循環改善のため首の自律神経の中枢に麻酔注射をする)や高濃度の酸素を吸って治す(高気圧酸素療法)ところもあります。
ある程度以上の難聴の場合は、安静と持続的治療を目的として入院治療をおすすめしています。

メニエール病

めまいといえばメニエール病

ある日突然、強い回転性のめまいが生じ、同時に耳鳴り、難聴を伴う内耳の病気です。これらの発作的な症状が繰り返し起こり、その間は何でもないことが多いのが特徴です。ただ、発作を繰り返す間に難聴が進む人もいるので要注意です。

●原因

メニエール病の根本原因もまだ解っていませんが、内耳に水分が貯まりすぎて圧力が上がることが直接の誘因とされています。その背景にはやはりストレス、疲れのあるケースが多く、まじめで几帳面な人におこりやすいといわれています。

●治療法

治療療はめまいを止める薬のほか、内耳の圧力低下をはかるための利尿薬が中心になります。治りにくい場合はステロイド薬も選択肢になります。補助的にビタミンB12、循環改善薬も使われます。難治性のメニエール病にはめまいを繰り返さないために内耳の機能をわざと取り除いてしまう手術を行うこともあります。