鼻うがいの効用

上咽頭炎によく効き、風邪の予防、花粉症の治療に

鼻うがい、つまり鼻をジャブジャブ洗うわけですが、21世紀なのにとても原始的と思うでしょうね。ところがこの方法、いまだに治りにくい鼻炎、副鼻腔炎、上咽頭炎などに対して、切り札ともなり、奥の手ともいえる立派な養生法なのです。 特に上咽頭炎にはよく効きます。風邪の予防、花粉症の治療にもなります。こつを覚えれば家庭で簡単にできますからお教えしておきます。

ハチアズレという粉のうがい薬(たいていの病院で処方できます)一袋を清潔な微温湯(40~42度位)100-150ccに溶かし、それを左右各々の鼻から吸い込み、のどに入ってきたら口からオエー!っと出します。ただこれだけ、単純です。 このうがい薬は塩分濃度が調整されていて鼻に入ってもプールで溺れたときのようなツーンとしたいやな痛みはありません。 またアズレンという薬効成分が粘膜の炎症を抑えてくれるのでさっぱりしてとても気持ちがよいのです。症状の強いときには一日2?3回すると良いでしょう。 うまくできないときはマヨネーズやケチャップのチューブをきれいに洗ってうがい液を入れ、鼻に当ててアーッといいながらビュッと入れれば自動的に洗えます。この場合反対側から液が出てきますがそれで十分洗えています。

注意すべきは清潔な微温湯を使うこと。汚い水は雑菌の宝庫ですから論外です。微温湯はその温度ゆえに粘膜の炎症やアレルギーを抑える作用があります。 最近ではハナクリーンという食塩水だけを使った鼻洗いセットが薬局で売られています。薬効成分は入っていませんが、なかなか使いやすく優れものです。

花粉症対策

受験生のための花粉症対策

1.花粉が飛ぶ前

●生活一般

規則正しい生活、充分な睡眠で体調を整えましょう。不規則な生活パターンで疲労をためると、身体の抵抗力が落ち、花粉症のようなアレルギー反応が起きやすくなります。また風邪もひきやすくなります。 風邪が治らないうちに花粉を吸い込むと、よりひどいアレルギーが起きます。家では加湿器や空気清浄器を使い、よい環境を維持しましょう。特に加湿は鼻や咽の粘膜の潤いを保ち、粘膜の抵抗力低下を防ぐよい方法です。

●治療

すでに花粉症と診断されている人は、専門医の元で予防的治療を受けましょう。花粉の飛ぶ1ー2週前から抗アレルギー薬を飲む事が一般的な方法です。抗アレルギー薬はシーズン中飲み続けることが原則です。 医師と相談して、自分にあった副作用の少ないものを選択します。重症の人や薬をなるべく飲みたくない人は季節前に鼻のレーザー治療を受けることも有用です。

2.花粉が飛んでから

●生活一般

晴れた日は必ずマスクをします。特に外出時は忘れずに。マスクは花粉症専用のものがお薦めです。寝室、勉強部屋の窓は開けないこと。部屋の掃除をする時は、雨の日を選んで窓を開け、ホコリを出してください。 空気清浄器や加湿器は続けて使用しましょう。外出後は洗顔、洗眼、うがいをして花粉を除きます。コートの類は玄関に置き、部屋の中に入れないでください。 眼のかゆみの強い人は、大きめの眼鏡や専用のゴーグルをかけましょう。コンタクトレンズをつけている人はこの時期、眼球を傷めやすいので、できる限りはずして眼鏡に変えることをお勧めします。 一家中の洗濯物を外に干さないでください。花粉が大量に着いてきます。室内で干せば加湿効果もあり、一石二鳥です。

●治療

専門医の元で抗アレルギー薬の服用を続けます。雨の日など症状が一瞬消えることもありますが、薬を止めるとすぐに強い症状が出ることが多いので、自己判断で薬を止めないようにしてください。 薬を飲んでいても症状が強くなったら、点鼻薬、点眼薬などの局所の薬を追加します。さらに症状が強い時は飲み薬を一時的に強力なものにすることもあります。

花粉症は勉強や作業の能率を大きく落とすことが知られています。受験を無事に乗り切るためにも、上に書いたことを充分に理解して、明日からの生活に活かしてください。

キセノン光治療

キセノン光治療は癒しの根源?

キセノン光は近赤外線を中心とした光です。この光を照射すると体の奥まで到達し、血管が広がり、血流が改善し、局所の痛みが和らぎます。 また自律神経系の働きを安定化して、自律神経系由来の症状にも効果を示します。

耳鼻咽喉科領域では めまい、耳鳴り,首筋から耳や後頭部の痛みと凝り、あごの関節の痛み、一部の鼻炎などに効果があります。一回7~8分の照射が標準で、治療による痛みは全くありません。 あてているうちに患部がとても暖かくなり、気持ちがよくなります。とくに首の付け根の星状神経節と呼ばれる自律神経の中心に光をあてると、自律神経全体の症状に効果が期待できます。

この治療、痛みには即効性がありますが、その他の症状の改善には若干時間がかかることもあります。もともと安全な治療ですから週2~3回のペースで根気よく続けていただくと良いでしょう。

当院では耳鼻咽喉科としては珍しくキセノン光治療器を導入していますので、いつでもご案内できます。光は癒しの根源であることを実感できます。

鼻のレーザー治療

薬なしでも大丈夫な状態に

鼻の粘膜の表面をレーザー光線で焼く治療です。
アレルギー性鼻炎の3大症状、くしゃみ、鼻水、鼻づまりに効果があり、つらいアレルギー症状を、ときには薬なしでも大丈夫の状態にできる治療として広まっています。

治療のやり方は、まず鼻内に軽くスプレー麻酔をした後麻酔薬のついたガーゼを入れます。

約10分後にガーゼをとり、麻酔が完全にできているか確認して、レーザー光線で症状の中心となる場所(下甲介粘膜)の表面のみを焼きます(5~10分)。

この間痛みはほとんどありません。治療後1週間近くは鼻づまりが強く、鼻水が増えますが、2週目以降はこれらの症状が軽くなり、3~4週で本格的な治療効果が出てきます。

問題は効果の持続期間ですが、平均すると半年から一年の治療効果が期待できます。

しかしなかには1~2ヶ月で元に戻る人もいます(個人差)ので、その点はご理解ください。

当院では主に春の花粉症の患者さんを中心に年間100例以上のレーザー治療を行っています。春の花粉症に対するレーザー治療は晩秋から新年にかけて行うのが最適です。

毎週金曜日の午後に予約制で受け付けています。治療は一回30分程度で保険が適用されます(レーザー治療単独の窓口負担金は3割の方で9000円です)。